第20回観桜句会が8日、岡山県鏡野町の句碑の森で開かれ、同所出身の俳人・宇佐見蘇骸氏(1914~2006、本名陳正)の門下生6人が師の遺徳をしのびつつ、満開のヤマザクラの下で俳句を楽しんだ。
1人2句を持ち寄った中から1人ずつ特選1句を含め4作品を選句。それぞれ「ここに来るたびに先生の面影を思い出す」「自分も20年を題に作ってみたが、難しかった」などと講評した。
「師をしのびつつ20回にふさわしい句」と評され特選4票を獲得し、1席となった「めぐり来し春二十年句碑句会」を詠んだ参加者最年長の光吉清子さん(92)=同所=は「俳句は余生のすべて。できる限り続けたい」と話していた。
このほか、2位は「まなうらにいつも師の影あたたかし」(光吉弘子さん)、3位には「見上ぐれば桜を傘に句碑並ぶ」(瀬島節江さん)が入選した。
宇佐見氏は小中学校で教べんをとり、退職後は、町文化協会長や作州俳人協会長などを歴任。俳誌の『サルビア』を主宰。句碑の森は同誌150号発行を記念し、同所黒山の一画にヤマザクラを植え、25基の句碑を並べて整備した。
