大正から昭和20年代ごろにかけての岡山県勝田郡勝央町勝間田の歴史に触れる「電話番号と加入者から見た町の100年間変遷展」が同所の勝央美術文学館町民ギャラリーで開かれ、当時の様子を物語る貴重な資料の数々に来館者たちが関心を寄せている。3日まで。
勝間田出身の藤野惠さん(79)=埼玉県在住=が所蔵している祖父・勘一さんの遺品など約50点を展示。
1890(明治23)に東京と横浜に電話局が設置され日本初の電話交換業務が始まって以降、旧勝間田町では1922(大正11)年に初めて電話が架設された。勘一さんは旧勝間田郵便局で通信係長に就任し、電話架設や管理業務にあたっていたこともあり、「電話加入者巡回手帳」などを保管。これらの資料を発見した藤野さんは当時を知る人から話を聞き、電話帳を調べるなどして加入者の動態を調査して50(昭和25)年までの1〜75番の加入者名簿をまとめている。
架設にあたる資金は高額であったことから大正期は加入者が銀行や商店が中心だったが、資料からは昭和20年ごろには一般家庭にも普及しているのが見て取れ、町の発展の様子がうかがえる。このほか、町制施行前の勝間田村時代の地図、元勝間田町長で勝間田銀行頭取だった故額田治郎さんの掛時計、酒店やしょうゆ店の陶器製のたる、小学校の勉学メモ帳といった資料も並ぶ。
藤野さんは「勝間田の歴史を振り返ってみて、町の移り変わりや発展の様子を感じて興味を持ってもらえたら」とPRしている。
同館の開館時間は午前10時〜午後6時(入館は5時半)。1日は休館日。