画家・築山弘毅さん(37)=川崎=の国内初個展「価値の記憶」が同所のポート・アート&デザイン津山で開かれ、蒔絵(まきえ)技法による独創的なミクストメディア作品に来場者が見入っている。29日まで。
東京芸術大学日本画科を経て渡欧、ドイツのシュトゥットガルト美術アカデミーで現代絵画を学んだ後、昨年帰郷して自宅にアトリエを構えた築山さんが、近作17点を出展した。
さまざまな事象をイメージした抽象的な色面に、株価や為替相場のチャートの変動を重ね、投資家の感情と出来事の連動性を表現。2011年の東日本大震災をテーマにし、昨年のI氏賞大賞を受賞した大作をはじめ、01年の米国同時多発テロ、仮想通貨取引といった画題が並び、金銀の箔(はく)や顔料、合成樹脂などの重なりと色合いがそれぞれ異なるインパクトを放つ。
築山さんは「先入観抜きで見る絵画としての美しさとともに、テーマを重ねて連想される作品の世界観も味わってほしい」と話している。
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独創的なミクストメディアの大作に見入る来場者
画家・築山弘毅さん国内初個展