岡山県津山の新しい観光スポットにしようと、第10代日本建築家協会長・出江寛さんが手がけた「銀金・神仏の茶室」が、津山藩松平家の菩提寺・泰安寺(岡山県津山市西寺町)で常設展示されている。津山街デザイン創造研究所(山本昇所長)が企画し、11日から公開している。
美作地域に年間300万人の観光誘客を目指す「世界に誇る美作国アートゾーン」の一環。客殿にお目見えした茶室は金属を素材に、金色の塗装を施した屋根と4面の網状の壁で構成され、内部を神、仏の世界として演出している。津山藩が徳川家の親藩だった歴史を発信するため、ゆかりのある同寺に設置した。
10日、文化関係者ら約30人を招いて茶会イベントを開催。同研究所が観光庁に採択された、城東地区に宿泊施設などを整備する観光地再生と誘客事業のPRとして、催しを「生きている城下町 美都津山・葵の御紋でつながる城東と城西」と銘打って行った。
水戸徳川家の流れをくむ讃岐国高松藩松平家の末裔・松平洋史子さん、京都の伝統ある茶屋の当主・松田須英子さんがお点前を披露。重要無形文化財総合指定保持者の能楽師・大倉正之助さんによる曲が響いた。厳かな雰囲気の中、参加者たちは津山の歴史に思いをはせながら、じっくりと茶を味わった。
茶会に先立って本堂で、歴史家・白駒妃登美さんと、日本学ユニバーシティ学長の出口光さんの講演会もあり、訪れた人たちは興味深そうに耳を傾けていた。
茶室は同寺(☎0868-23-8141)に事前に問い合わせれば見学できる。
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