岡山県久米郡美咲町の川島英子さん(79)が、第3歌集『風と木漏れ日』を飯塚書店から発行した。2018年~23年に詠んだ548首を収録。「一区切りつけたつもりだったけれど、これからも続けていくことになりそうです」と話している。
「わが裡の氷河のくづる閉ぢ込めし叫びを吐きたき衝動おぼゆ」「おしゃべりと春風はらむスカートのせて下校の銀輪がゆく」「女手に祖母が戦後を守りこしわが継ぐ田畑アワダチサウ立つ」―などみずみずしく豊かで自由な感性でつづった、情感あふれる秀作が並んでいる。
川島さんはあとがきで「日ごろ心がつらくなると、よく近くの山野を散策していた。山の気が、四季折々の木や草や花が、鳥や虫の声が、沈む気持ちを癒してくれた。足元を、風にちらちら踊る木漏れ日にも和まされた。そこでタイトルを決めた」としている。
川島さんは「麓」短歌会、県歌人会の同人で、歌集に『櫻吹雪』『渓のせせらぎ』がある。また、日本児童文学者協会の会員で、「いちばんぼし童話の会」、岡山児童文学会「松ぽっくり」の同人。著書に『蛍のブローチ』『棚田の村の少女』など。小学校で読み聞かせボランティアを18年続けている。
問い合わせは、川島さん(TEL:0868-66-0937)。