第47回「つしん景況レポート」 251社から聞き取りを行い分析 信金職員が中小企業経営者を訪ねる/岡山・津山市

経済・産業 津山朝日新聞社
         

津山信用金庫=岡山県津山市=は第47回「つしん景況レポート」を発表した。作州の今期(7〜9月)の景況天気図は「雨曇り」。業況判断DI(※メモ)はマイナス3.2で、前期に比べて3.6ポイント上昇した。サービス業や小売業などが好転している要因から来期(10〜12月)はプラス14.0の「晴れ時々曇り」と予想。

 地域別DIの今期は、津山鏡野がマイナス0.6(前期比増減なし)と横ばいの一方、真庭がマイナス5.8(同11.3ポイント増)、美作勝央がマイナス14.3(同3.0ポイント増)まで改善。

 業種別DIの今期は、不動産業、サービス業、卸売業、建設業が前期比で上昇。小売業と製造業がダウンしている。

 雇用判断DIは、マイナス36.2(前期マイナス33.4)とやや悪化し、来期はマイナス39.4の予想。

 調査先企業のうち、不動産業者からは「住宅資材の高騰により、土地を買っての新築をあきらめるケースが増える一方、リフォームや親族所有の土地に新築するケースは堅調」。住宅建設業者からは「建築コスト高騰により新築を敬遠する人が多いため、リフォームへの傾注を勧めている」。木材・木製品製造業からは「建設費高騰で住宅着工件数が減少しているため、木材需要が低迷している」などの声。

 サービス業のうち、バス会社からは「コロナが5類移行されたことで学校関係の修学旅行や部活動行事が復活し、観光バスやタクシーの業況がよい」。小売業のうち、自動車小売からは「不正、不祥事を起こした大手企業所有の中古車が市場に供給されているため、販売価格が下がるのでは」。飲食料品卸売業者からは「10月の酒税法改正により発泡酒やビール風飲料からビールに需要がシフトすると予想する」との声もあった。

 今回の特別調査のテーマは「中小企業の将来を見据えた事業承継」。「後継者問題」では、「まだ考えていない」が34%、「すでに決まっている」が29%、「後継者はいるが、まだ決まっていない」24%、「候補者がいない」11%。「必要ない(事業譲渡希望、廃業予定など)」3%。「事業承継の考え方(相手)」では、「子ども(娘むこなど含む)」が48%、「現時点で考えるつもりなし」20%、「非同族の役員、従業員」12%、「その他の同族者(兄弟、親せきなど)」6%、「M&A(第三者への事業譲渡)」5%など。「承継の問題」では、「事業の将来性」が27%、「後継者の力量」22%、「取引先との信頼関係維持」9%、「従業員の雇用維持」9%、「候補者の選定・確保」8%、「従業員の理解」7%、「借入金・個人保証の引継ぎ」7%などの順となっている。

 同レポートは、3カ月ごとに信金職員が中小企業経営者から聞き取り調査して分析。今回は8月下旬〜9月上旬に251社を訪ねた。

 メモ

 【DI】「良い」と回答した企業数の割合(%)から、「悪い」と回答した企業数の割合(%)を差し引いた値。


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