津山出身の洋学者・箕作阮甫(1799~1863)の生涯を描いた漫画を岡山県津山市が発行した。市内小学校などに配布し、郷土の偉人の知名度アップを図る。
歴史漫画を多く手掛ける漫画家・南一平さんに依頼し、「生い立ち」から「引き継がれる志」まで5章構成でストーリーを展開。
津山藩医の三男として生まれ、幼少期に父が亡くなった中、勉学に励んで18歳から京都で医学修行した後、江戸で同藩医・宇田川玄真のもと蘭学を学んだ青年期の情熱が伝わってくる。藩医として津山に戻り、妻子を伴って再び江戸詰めとなった中年期、西洋医学書の研究、翻訳で才能を発揮。
「活躍」の章では1853(嘉永6)年、浦賀に来航したペリーが携えた米大統領親書を翻訳し、開国後の56(安政3)年に幕府が設置した蕃書調所(東京大学前身)で日本初の教授となったことをドラマチックに描いている。巻末には阮甫の子孫とその業績、津山洋学資料館の紹介も掲載。
B6判100ページ、1550冊を製本。市内小学校をはじめ県内各図書館、県内外の博物館にも配布。本年度中には一般販売用に増刷する予定という。