元津山朝日新聞記者の廣戸暑大さん(60)=岡山県津山市小田中=による写真展「作州ノスタルジー」(城西まちづくり協議会主催)が田町の城西浪漫館ギャラリーで開かれ、約四半世紀前にフィルム撮影したモノクロ写真が来場者の目を楽しませている。16日まで。
還暦を機に26年間の記者生活に昨年終止符を打った廣戸さんが、2000年前後に美作地域を取材し、本紙に掲載された風景や自然、人物などを中心に37点を出展。各作品には当時の記事のコピーも添えた。
美咲町大垪和で収穫した稲を幾段にも掛けて天日に干していた「高穂架」、旧上斎原村のシンボルとして親しまれたヤマボウシの大樹、秋の夕暮れに吉井川でハエを狙う釣り人のシルエットなど、県北各地で活写したカットが並ぶ。吹きガラス職人として知られた故新谷良造さん、津山市街を自転車で豆腐を行商していた故本井伝高夫さんら人物の表情には人となりがにじむ。
さらに一角には趣味で研究している渓流魚をライブ撮影したカラー写真も並ぶ。
美咲町周佐の藤井みつるさん(75)は「撮影時の心情や臨場感が伝わってきて、癒やされた」。
廣戸さんは「作州の風土や自然、まちを魅力づける人物のカットに懐かしんでいただけたら」と話している。