美作アマ将棋名人戦

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史上2番目の若さの中学生名人誕生――。成長著しい土山泰輝三段(13)=旭中2年、美咲町=と、実力者の横山大作三段(38)=公務員、真庭市=のどちらが空位となっている名人位を獲得するかと、将棋愛好家の注目を集めていた第70期美作アマ将棋名人戦(津山朝日新聞社主催、日本将棋連盟津山支部主管)は24日、高野本郷の津山キッズ将棋教室を会場に三番勝負で行われた。ともに勝てば初の名人という対局は、3局までもつれる大激戦で、土山三段が逆転勝利を収めタイトルを手にした。
 立会人=小林正典三段、市本恕一三段、森川邦夫三段、記録=川口剛永世名人、西崎文雄二段、持ち時間45分、1分秒読みで行われた。
 最初に本社・福田邦夫社長が「緊張感ある中での対局。いい将棋を指し、名人を目指してください」とあいさつし、対局に移った。
 タイトルの行方を大きく左右する第1局は、午前9時、振り駒により土山三段の先手でスタート。土山三段の左穴熊中飛車に対し、横山三段は三間飛車で対抗。中盤でのさばきが成功した土山三段の猛攻を受ける展開となった横山三段だが、ぎりぎりでしのぎ切り先勝した。1時間4分、86手。
 第2局は10時30分、横山三段の先手で開始。横山三段の三間飛車に土山三段は再度の左穴熊中飛車で対抗。堅陣を生かした飛車切りの強襲を敢行した土山三段が、細い攻めをつなげて的確に寄せ切り、1勝1敗のタイに持ち込んだ。58分、104手。
 あらためての振り駒の結果、先手番となった土山三段が3局連続の左穴熊中飛車を採用すると、申し合わせたように横山三段も3度目の三間飛車で対抗。中盤ではお互いに強気の応酬で、飛車を取り合い難解な終盤戦に突入するも、穴熊の遠さが生きた形で土山三段が大熱戦を制勝し、タイトルを獲得した。1時間25分、91手。
 3局ともに両対局者が死力を尽くした熱戦だった。土山三段の13歳4カ月での獲得は、昨年の白石智也前名人の11歳に次ぐ史上2番目の若さで、久米郡在住者は初。また、45年ぶりに真庭市・郡在住者が名人にという横山三段の夢はかなわなかった。
 対局終了後、本社と同連盟津山支部から賞状や盾、記念品が両者に贈られ、好勝負をたたえた。
 土山三段の話 1局目は緊張した。2局目からは悔いが残らないようにと思い、自分の将棋が指せた。来期は防衛できるよう頑張る。
 横山三段の話 力は出し切った。土山三段は終盤が強く、一枚上手だった。来期も名人に挑戦できるよう精進したい。

息詰まる熱戦が展開された名人戦 土山三段(左)と横山三段

史上2番目の若さで名人位を獲得した土山三段


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