昨年1月1日に発生した能登半島地震の被災地の様子や復興へと歩む人々の姿を捉えた、フォトジャーナリスト・渋谷敦志さんの写真展「能登を、結ぶ」が岡山県真庭市勝山の勝山文化往来館ひしおで開かれている。25日まで。
渋谷さんは発災後、日本赤十字社の救護チームに同行し、1月2日に能登入りして活動を記録。その後も個人で通うなど撮影を続けた。
57点を展示。倒壊した家屋と消防による懸命な救出活動、道路をふさぐ巨岩の脇で自転車で支援物資を運ぶ人、火災で焼失して変わり果てた輪島市の朝市通りなど、被災地の惨状や揺れのすさまじさを伝えている。
一方で、行く先で出会った古里復活に力を合わせる人々の姿や営みを撮影。苦難の中“能登の明日”を見つめるまなざしに力強さが感じられる。渋谷さんは「その土地に根付いている生業や、命を守る人とのつながり、自然と共存する知恵など、能登が持っている力がたくさんある」とする。
訪れた人たちは能登に思いを寄せながら一点一点に足を止めている。
