加茂絵手紙教室の生徒で、今年の8月に他界した藤本恵子さん=加茂町公郷=の遺作展「絵手紙365日交流より」が同町塔中の加茂町公民館で開かれ、花や食べ物、動物、季節の風物などを描いた心温まる作品が来場者の目を楽しませている。11日まで。
日本絵手紙協会の企画に参加し、365日間休まず描き続けた作品など約400点を出展。
淡い黄色で塗られた大きな瞳のかわいらしいフクロウの絵には「福をつれてきてね ふくろうさん」、七輪の上で焼けるもちに「昔は七輪 今はレンジ」と言葉を添えている。はがきのほかにも、長半紙に、振袖を着た後ろ姿の女性と「成人式おめでとう初孫の晴れ着姿に感無量です」といった言葉を描き、孫の成長を喜んだ作品もある。また、絵手紙を通して交流を深めた人たちの作品も展示している。
藤本さんが絵手紙を始めたのは10年ほど前。ガン宣告を受けて闘病中、娘の土井明子さん(41)=同所=が勧めたのがきっかけだった。作品から優しさや感謝を忘れない人柄がしのばれる。
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絵手紙を眺め、藤本さんをしのぶ来館者