岡山県北を舞台にした「森の芸術祭」で、新見市の鍾乳洞「満奇洞」に作品展示する写真家・映画監督の蜷川実花さんとアートディレクターの長谷川祐子さんよるトークイベントが1日、津山市西今町の作州民芸館で開かれ、ヒガンバナの造花1000本を使ったインスタレーション(空間芸術)を展開することを明らかにした。
満奇洞は県天然記念物で、歌人与謝野鉄幹・晶子夫妻が、「奇に満ちた洞」と絶賛したことから言われるようになり、全長約450メートル。「入った瞬間に空気が変わり異世界の入口のよう。道幅が狭いところもありストーリー性がある」と蜷川さん。
インスタレーションは洞内奥地の泉のそばに設置し、周辺を赤いライティングで彩るといい「黄泉の国をイメージした空間を考えている。場所の力を借りながら新たな気づきを与える作品にしたい」と話した。
長谷川さんは「蜷川さんが作りだす世界を訪ねていただき、県北各地で起きる“マジック”も楽しんでもらいたい」と呼びかけた。
イベントでは蜷川さんの作品の魅力や幼少期のエピソードなどについて語られ、県内外から集まった約50人が聞いた。
芸術祭は県北12市町村で11月24日まで開催。アーティスト13カ国39組が参加し、津山市など5市町の21会場にアート作品を設置する。