岡山市で発生した5歳女児の虐待死事件を受け、市内の児童虐待についての質問があった。市側は、継続的に支援や見守りが必要な児童が今年2月末時点で448人いると説明した。
こども保健部によると、2020年度の児童虐待の通告件数は251件で、このうち119件を虐待と判定、将来的に虐待に移行する恐れのあるものが108件、虐待に該当しないものが24件だった。通告経路について飯田部長は「乳幼児健診や新生児訪問などでの気づきや、児童が所属する保育園・学校からの情報のほか、近隣住民からの通告もあり、児童虐待に対する認識が住民に浸透しつつあると考えている」と述べた。
支援に関しては「通告を受けると、ただちに緊急受理会議を開催し、児童の安全確認を行う。緊急度が高いケースについては、児童相談所に一時保護を依頼するなど、迅速に適切な対応を講じている」と説明。「虐待と判定したものや、将来的に虐待に移行する恐れのあるものに対しては、要保護児童対策地域協議会の関係機関と連携して、保育園や学校での見守り、保健師や相談員による家庭訪問、保護者との面談などの支援を行っている」とした。
継続的に支援などが必要な児童は448人。2011年度末に234人だったが、16年度末に435人となり、その後も増減はあるが、おおむね400人を超える人数で推移しているという。また、対象児童の市外への転居があった場合は、関係機関と情報共有するとともに、転出先の自治体に対して取り急ぎ、電話連絡を行い、その後、改めて文書により支援などの継続を依頼しているという。
幼い命が虐待によって奪われる痛ましい事件が後を絶たない。長引くコロナ禍で実態が見えにくく、潜在化を危惧する声もある。小さなSOSを見逃さないよう、今まで以上に地域社会や周囲の大人が子どもたちを注意深く見守っていくことが重要だ。
議会トピック 児童虐待
- 2022年3月9日
- 行政・公共