「地域づくりや人づくりの支援を後退させるのではないか」―。市民活動の促進・支援を図るための拠点施設として、市が大田のリージョンセンター内に開設している「地域づくりサポートセンター」(愛称・ちいきいきいき相談所)を来年3月末で閉鎖する条例改正案をめぐり、懸念を示す議員と市執行部とのやりとりが行われた。
センターは、井口の市コミュニティーセンター・あいあいに設置していた市民活動センターを移転し、2018年10月にオープン。指定管理のNPO法人みんなの集落研究所が運営し、専門職員が常駐。地域の課題解決へ、まちづくりなどの相談に対応し、NPO法人や市民、住民自治協議会の活動のマッチングなど、人と活動をつなぐ取り組みを行ってきた。
この日の一般質問では、議員が「コロナで停滞した地域を再生させるためにより機能を充実させていくことが求められている」と指摘し、判断の理由をただした。二宮地域振興部長は「次期指定管理の方針検討を行う中、市行財政改革推進本部会議で、施設開設後の利用状況などから十分な機能強化につながっておらず、指定管理に委ねるほどの事業規模ではない面が見受けられる点について協議が行われた」と説明。実績では18年度は半年間で来所者数440人、相談件数47件で、19年度は来所者数1069人、相談件数44件だったという。
市側は「指定管理者が運営するサポートセンターが庁舎外にあることで連携が十分でなく、利用者が既存の組織などに限定的である」ことも理由に挙げ、「来年度以降は市庁舎内に移して市が直営で関わる方針」とした。
判断をめぐっては、交流や活動の場としてきた「主体」であるはずの市民や利用者が不在になっていないか。数字だけではない、成果にも目を向けるべきでは。
議会トピック
- 2020年12月9日
- 行政・公共