城下町津山で30年以上にわたり、愛されてきた家庭割烹「桃花」=岡山県津山市=が23日、惜しまれながら閉店する。
「ひっそりとお店をたたむことも考えましたが、長年お世話になったお客さまの顔が浮かび、私の誕生日である11月14日に、12月23日で店を閉めることを告知しました」と、店主の桃﨑正枝さん(75)。
その後、常連客らが連日詰めかけ、予約でいっぱい。「本当に好きな店だったのでやめてほしくない」「今のうちに食べてほしい人を連れていく」などの声に感謝しながら、スタッフ全員と最後の一日まで忙しくも充実した日々を送っている。
桃花は1990年11月、岡山県津山市大手町に開店。約10年前に現在の場所に移った。名前は名字の「桃」と開店時の場所に以前あったお店の一文字から「花」を受け継いだ。
名物は津山を代表する郷土料理であるそずり鍋の他、正枝さんが佐賀県出身なこともあり、新鮮な呼子のイカや柚子こしょう、明太子のメニューなどが人気。
「皆さんに助けていただきながら、笑顔をモットーに続けてきたお店。感謝の一言しかありません」と正枝さん。
閉店後も、そずり鍋の通販は継続する。問い合わせは、桃花(TEL0868-24-1135)。