重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の修理修景勉強会が20日、山北の市役所で開かれ、設計・施工業者らが町家の修理、修景の基礎知識と実務について認識を深めた。
城西地区の重伝建選定の答申を受け、城東重伝建地区を含めた町並み保存の取り組みの円滑化を狙いに企画。両地区で来年度にかけて設計、施工を予定している市内の業者18人が参加した。
津山市伝建保存審議会委員の林良彦奈良文化財研究所客員研究員が講師を務め、古い建物と地割が保たれた町並みを文化庁が選定する重伝建制度で、外観保存の制約に同意した「特定物件」の修理、それ以外の修景について説明。
自ら設計を手掛けた奈良井宿(長野県)や関宿(三重県)などの町家の施工前、施工後の写真を見せながら「修理では調査の履歴に基づいて意匠や構造を復旧させ、修景では伝建より目立たなく周囲に馴染む外観にすることで、地区全体の風致を高めていくことになる」と話した。
漆喰(いっくい)壁や出格子、袖うだつといった造りについては、元来とは異なる改修がされた事例も挙げ、好ましくない点を指摘。このほか内部の軸組構造を補強する耐震ダンパー、空き町家の活用事例の紹介もあり、参加者は終始熱心に耳を傾けていた。
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町家の修理、修景について聞く参加者
重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の修理修景勉強会
- 2020年12月2日
- 歴史・文化