鏡野町出身の彫刻家・桜井敏生さん(82)=東京都=による石彫3点が同町に贈られ15日、竹田の総合文化施設・ペスタロッチ館野外スペース(岡山県鏡野町)に設置された。
石彫は、新制作展で「新作家賞」を連続受賞した「屈む」(1972年)と「横になる人」(73年)、2002年の作「父と子」。いずれも黒みかげ石で彫り、受賞作は女性をモチーフに半抽象化した柔らかなフォルムで命のみずみずしさを表現している。
武蔵野美術大学を経て半世紀以上にわたり制作に打ち込んできた桜井さんは、7年前からパーキンソン病を患い現在は自宅療養中。故郷に恩返しをしたいとの思いから多くの人に鑑賞してもらおうと、同町土居の生家わきに近年置いてⅠいた作品に、油彩の抽象画1点も添えて寄贈した。
桜井さんの次女で、西今町のギャラリー・NishiⅠma25を営む画家・由子さん(52)は「今は帰郷もままならない病状だが、作品をパブリックスペースに置き、だれもが彫刻にふれて体感しながら鑑賞できることを望んでいた父は喜んでいる」と話している。
鏡野町出身の彫刻家・桜井敏生さん(82)=東京都=による石彫3点をペスタロッチ館へ設置 / 岡山県鏡野町