高い糖度でつきぬける甘さ 新種マスカット・ノワール ブランド化目指す/岡山・勝央町

経済・産業 勝央町特産品ブドウの生産に励む農家のみなさん=筒井さん提供
勝央町特産品ブドウの生産に励む農家のみなさん=筒井さん提供
         

 勝央ぶどう部会有志でつくる「有望品種検討班」は現在20人で生産に取り組んでいる品種「マスカット・ノワール」を岡山県の勝央町特産品としてブランド化させようと、4月21日までクラウドファンディング(CF)を行っている。目標金額70万円で、資金はブランド立ち上げや広報などにかかる費用に充てる。

 マスカット・ノワールとは山梨県甲府市の植原葡萄研究所がシャインマスカットとジーコを交配してつくった新種で、見た目はジーコに似ており紫黒色。糖度は18~21度と高く、果皮は渋みが無く皮ごと食べられる上、種が無いのも特徴。

マスカット・ノワール=筒井さん提供
マスカット・ノワール=筒井さん提供

 同検討班は同町を中心としたブドウ農家有志が2021年に立ち上げ、主力品種開発などを目的に約20品種の試食や試験栽培に取り組んできた。その中でメンバーの一人、筒井則雄さん(52)=同町豊久田=が同品種を推奨。味の良さはもとい、病気に強く一定の生産性を保てる見込みがあり、24年に特産化に向け企画が動き出した。

 ブドウは植栽してから3年目で少量の実をつけ、5年目で安定した出荷ができるようになる。班員たちの畑では計約50本が植えられており、すべての木が十分に成長するのは数年後。今回は栽培を始めてから5年目を迎える「マスカット・ノワール」を返礼品にする。同町での収穫時期は10月下旬~11月中旬と見込んでいる。

 CFはネットサイト「READYFOR(レディーフォー)」で実施しており、支援金は6000円以上から。寄付金額に応じてマスカット・ノワールや同部会が生産したその他希少品種を贈答。発送は11月の予定。合わせて生産したブドウのブランド名も募集している。このほか返礼品を含まない応援のみの支援もあり、詳しくはネットで確認できる。各所で配布している申込書付きチラシでも受け付けている。

 筒井さんは「プロジェクトが成功すれば、町の地名度が上がり、活性化にもつながる。さらに生産者の増益とともに農業をしたいという人たちも増えて、将来的な発展にもなる。みんなに『支援してよかった』と思ってもらえるよう全力で励んでいく」と話した。

同CFサイトの情報を確認できるQRコード
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