6月定例津山市議会最終日／岡山・津山市

　6月定例津山市議会は9日、一般質問最終日となり、公明党津山市議団、津山自由民主倶楽部、日本共産党津山市議団の代表質問、三浦ひらく議員の個人質問が行われ、新型コロナウイルス対策を中心に市当局をただした。谷口圭三市長は、新型コロナに関する施策として水道料金の減免について、「現在取りかかっている第3次補正予算を編成する中で検討していきたい」との考えを示した。主な質疑は次の通り。
【公明党津山市議団】
　原議員　新型コロナウイルスへの対応ですべての市民を応援する施策の検討は。避難所での資材の確保、旅館・ホテルなどを生かした分散避難体制は。中学生までの児童・生徒1人につき1万円が支給される「子育て世帯への臨時特別給付金」の状況は。
　谷口市長　厚生労働省通知により、臨時交付金を活用した効果的な対策の一例として示された水道料金の減免などについて、市独自の施策として、現在取りかかっている第3次補正予算を編成する中で検討していきたい。
　森上総務部参与　避難所で使う体温計、消毒液などの資材は出水期までに確保できるよう準備を進めている。マスクも各避難所へ一定量配布する。間仕切りについても早期に調達を検討していく。旅館やホテルを活用した避難については、高齢者や妊産婦など集団避難が困難で配慮が必要な人の避難場所として想定し、現在、市内の事業者団体と活用に向けた協議を進めている。
　飯田こども保健部長
　特別給付金の対象を約1万3500人と見込み、7月10日の支払いに向けて準備を行ってきた。支払い手続きなどが順調に進んでいることから、支払い日を6月23日に前倒しして1回目の取りまとめ分を振り込む予定。
　
【津山自由民主倶楽部】
　吉田議員　財政構造改革プランとコロナウイルス緊急対策の整合性は。災害の発生と新型コロナウイルスの感染が重なった場合の避難所の対応は。教師のマスク越しの声が通りにくいため、透明なフェイスガードで授業をできないか。
　谷口市長　新型コロナ対策は大きな財政出動を伴うが、市民生活・経済活動の速やかな回復などのために緊急性の高い必要な財政負担と認識。財政構造改革への道のりはより厳しいものとなったが、改革に向けた意欲はいささかも揺らいでいない。市の将来を見据え、不退転の決意を持って取り組んでいく。
　森上総務部参与　国から示された留意事項を基本として避難所を運営するが、まずは避難所が密にならないよう、世帯ごとに一定の間隔をあける、体調不良者の発生も考慮し複数の部屋を確保する、といった対応をとる。関係課とも連携し、適切な対策を行う。
　粟野教育次長　フェイスガードを使うことで、児童生徒が教師の声を聞き取りやすくなり、口元を見て学ぶ効果が期待できる。現在、難聴学級で試験的に使用して授業をしており、現場の意見も参考にしながら、小学校低学年や特別支援学級などの効果的な使用場面や安全な使用方法について、導入に向けて検討する。
　【日本共産党津山市議団】
　中村議員　臨時休校で生じた子どもの学力格差をどう是正するのか。不登校児童が増加しているのではないかと思うが、どう対応するのか。特別定額給付金について、段取りが遅かったのではないか。給食費を無料化してはどうか。
　粟野教育次長　夏季休業期間の短縮による授業日数の確保のほか、児童生徒の習熟状況を把握して補充学習、個別指導を行う。
　各校に対し、学級担任や養護教諭が中心になって心のケアを行うよう指示を出している。専門家の支援も必要と考えており、スクールカウンセラーの派遣を拡充した。教育相談電話も受け付ける。
　市長　補正予算の成立後速やかに支給するために、あらかじめ申請書の送付準備を行うなど最大限の準備、調整をするよう指示を出した。その結果、県内の他都市から遅れることなく給付を開始できたと考えている。特別職を含め、市職員の申請の受け付けについては、市民を優先できるよう調整しながら事務を進めている。
　新型コロナウイルス感染症対策は多分野にわたり、無料化を一定期間行えるかどうかは、事業の優先順位や整合性を踏まえて検討していきたい。
　【無会派】
　三浦議員　市内の夫婦から、体重554グラムで生まれ、度重なる困難を経て5歳になった子どもの就学猶予について相談を受けたが、市教委はこの制度についてどのように対応しているか。災害と感染症の同時発生に対する備えとして、避難所のマスクと消毒液の備蓄はあるのか。
　粟野教育次長　特別な支援が必要な幼児らについては、教育支援委員会が個別の教育ニーズに最も的確に応えられるよう検討し、最終的に教育委員会で判断している。相談があった場合、情報を提供したり意見を聞いたりする場面を設けるなどしている。これまでに確認できる就学猶予のケースは1件で、2013年度以降、教育委員会が検討した事例はない。就学事務の手順や手続きの時期は定められている。適切な判断ができるよう寄り添っていきたい。
　森上総務部参与　消毒液は配備の準備を進める。マスクはできるだけ持ってきてほしいが一定程度置く。