J-REXXX&DJ KAJI feat.$ora 地元への愛がつまった歌と音楽 映画『キセキが、はじまる。』を彩る/岡山・津山市

芸術 映画音楽を担当したDJKAJIさん
映画音楽を担当したDJKAJIさん
         

 「第4回津山国際環境映画祭」が12月6日と7日の両日、津山文化センター=岡山県津山市=で開かれ、大谷健太郎監督の新作映画『キセキが、はじまる。』が初公開される。津山を舞台に撮影した短編で、主題歌「53号線」は津山出身の J-REXXX & DJ KAJI feat. $ora の楽曲。さらに、劇中音楽もDJ KAJIさんが手がけ、映像に寄り添う音づくりで作品を支えた。

 地元で活動を続けてきたDJ KAJIさんに、制作の背景を聞いた。

――まず、「53号線」を作ることになったきっかけから教えてください。

 コロナでイベントが次々と中止になり、エンタメ業界が真っ先に大きなダメージを受けました。そんな中、東京で活動している津山出身の J-REXXX がよく帰ってきていて、「まず地元から盛り上げていかないといけない」と話すようになったんです。

 その流れの中で『Going My Way』の制作が始まり、その中の1曲が「53号線」でした。まさか3年後に映画祭で採用されるとは思っていなかったので、本当にありがたいと感じています。

――ビートが先に生まれ、歌詞が後についたと伺いました。

 最初にビートを作りました。それを聴いた J-REXXX が、東京から津山へ帰る車の中で歌詞を書いてくれました。実際に国道53号線を走りながら、昔のことや仲間のことを思い出して作ったそうです。

――アルバム制作はかなりスピーディーだったそうですね。

 J-REXXX は5日間だけ津山に滞在して、その間に9曲を作り上げました。僕が津山に住んでいるので、僕の話にも耳を傾けてくれて、それを歌詞に落とし込んでいったんです。

 レコーディングやPV撮影もほとんど津山で行いました。「津山で作れるものは津山で作る」という気持ちで進めました。

――若手アーティスト $ora さんも参加しています。

 $ora は当時20歳くらいで、今は東京で活動していますが、すごくセンスのある津山出身の若者です。僕ら30代だけでなく、若い感性も入れたいと思い参加してもらいました。同じ地元でもジャンルも年代も違う三人が集まって作る感じが、すごく良かったと思っています。

――映画音楽への参加はどのように始まったのですか?

 映画を作るという話を聞いたとき、「どうにか参加できませんか?」と尋ねました。そこから監督と会わせていただき、主題歌だけでなく、あらかじめ用意していた約20曲をBluetoothスピーカーで聴いてもらい、その中から10曲前後をピックアップしていただきました。

 その後、ドラムとベースだけ抜いた音源などを送り、映画用に仕上げていきました。

――通常の曲作りと映画の音楽作りの違いはありましたか?

 全然違いますね。歌ものの場合は BPM(テンポ)に制約があります。でもBGMはリズムではなく“感情の流れ”で作るので、今までにない作り方でした。シーンの雰囲気に寄り添う音楽を作るのは新鮮でした。

――完成した映画を見て、どんな印象を持ちましたか?

 何より、津山の風景がシネマティックに映っていたことに驚きました。普段見ている町が映画の画角になると、こんなにも格好良く見えるのかと感じました。

――映画祭ではオープニングライブで1曲披露されます。

 一曲だけですが、来てくださった方にしっかり届けたいと思っています。派手なパフォーマンスというより、主題歌として映画のスタートを飾る役割を果たせればいいなと。

 そして、この曲も映像も仲間と作ったというところにも価値があると思っています。クリエイティブな力を出し合う仲間がもっと増えていったら、もっと面白い町になるはずです。

――最後に、映画とライブを楽しむ観客の方へメッセージをお願いします。

 地元の良さを映画や音楽という形で外に発信しようとしている仲間が、この地域にはたくさんいます。そうした“地元発の文化”を、みんなで一緒に作り上げていけたらと思っています。

 J-REXXXさんからのメッセージ

「津山市総社東出身のJ-REXXXです!地元を題材にした映画に地元を題材にした自分の曲が選ばれた事は本当に嬉しく思います!

この歌は「何も無い地元の街でゼロから手探りで始めた」がテーマで、自分の過去を歌っている曲ですが不思議と映画とマッチしてる感じがして、映画の空気感を壊さずに更に津山色のいい色付けが出来たと思います!

津山の空気、人情、景色、すべてが詰まった素晴らしい映画をみなさん是非楽しんでください!」

主題歌を担当したJ-REXXXさん

映画 「キセキが、はじまる。」

東京から来た若手映画監督が岡山県津山市を舞台とした映画の制作を目指すなか、
地域の人々との人間模様の中で現代と過去を結ぶヒューマンストーリー。

<あらすじ>
東京在住の若手映画監督が、津山のある経営者から映画制作の依頼があり津山を訪れる。
映画制作のヒントを模索しているなか、
地元の人々からはここは何もない所と言われるのだが、津山の偉人や歴史に触れながら、
依頼元の経営者が行方不明と知らせを受ける。
依頼元に中々会えない中、津山の案内をかって出たのはジーンズ製造会社の息子。
八出天満宮やサムハラ神社を案内していると立往生の車に出会い、
その故障車の老人を助けたことがきっかけに物語が展開していく・・・
若手映画監督は津山の地で映画を作ることが出来るのか。

<出演者> 林 勇輝(神奈川在住・初映画主演)、岸田 敏志(真庭市出身)、三倉 茉奈(NHKドラマ『だんだん』ヒロイン)、伊原木岡山県知事(特別出演) ほか
<監督・脚本> 大谷 健太郎
<ロケ地> 城東地区、美都津山庵別邸、津山洋学資料館、八出天満宮、大隅神社、サムハラ神社、内田縫製など
<プロデューサー> 山本 昇、大谷 健太郎、大和田 廣樹
<音 楽> DJ KAJI
<主題歌> J-REXXX & DJ KAJI feat Sora 「53 号線」
<制 作> 株式会社大谷健太郎事務所
<企 画> 美作の国映画プロジェクト

■問い合わせ先
美作の国映画プロジェクト事務局
708-0834 岡山県津山市中之町8-1(0868-20-1781)

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