第6回「OKUTSU芸術祭」(同実行委主催)が14日、岡山県苫田郡鏡野町の奥津温泉街をはじめ、町内外の各会場で開かれ、絵画や彫刻などの多彩なアートが行楽客らの目を楽しませている。12月1日まで。
期間中は、かがみの近代美術館(鏡野町奥津川西)や花美人の里(同)、石庭遊園地(同町奥津)、国登録有形文化財の奥津荘(同)といった奥津地域の施設を中心に、国道179号沿線、加茂町宇野地区、美作、真庭市の市外計27会場で美作地域出身の若手美術家らの意欲作を展示。今年は県北を中心に開催する「森の芸術祭晴れの国・岡山」(28日~11月24日)のピックアッププログラムとしても地域を盛り上げる。
花美人の里では布に動物や植物の絵が描かれた日除けのれん「ゆえんふ」や奈義町の横仙歌舞伎をテーマにした鷹取さおりさんの絵画がお目見え。回廊には子どもらが思い思いにデザインした「手ぬぐいアート」がつるされ、風流な景観を作り出している。
久しぶりの温泉を楽しみに来たという玉野市の会社員・松山正樹さん(61)は「回廊を抜ける風を感じながら揺れるのれんを見ていると涼しさと心地よさを感じる。見た目も華やかで美しい」と話していた。
かがみの近代美術館では18日~10月4日、昨年に続き募集した地域を盛り上げるマスコット「鏡野町非公認キャラクター」の展示が行われる。このほかの会場の催しや詳しい情報はパンフレットや同実行委のSNSなどに記載している。
同祭は、津山市から鳥取県倉吉市に向けて町を縦断する国道179号沿線を「アートが楽しめる魅力ある沿線・エリアとして創り上げる」ことを目的に開催。同祭総合ディレクターでかがみの近代美術館の辻本髙廣館長(67)は「豊かな自然があり、非日常的な空間としても楽しめるのが奥津。観光振興が近隣市町村の発展にもつながると信じている。若手作家が育つ場所としても芸術祭を長く続けていきたい」と語っている。