お絵かき寺子屋/岡山県

芸術
         

 イタリアと岡山県津山市にアトリエを構える世界的な彫刻家・画家の武藤順九さん(70)が来月から、岡山県北の小学生らを対象にしたアート体験イベントを開催する。「お絵かき寺子屋」と題して10日の津山市を皮切りに岡山県真庭市などでも実施し、想像力を育むとともに、伝統文化の継承にもつなげたいという。
 大理石彫刻「風の環」の連作をはじめ、生命をテーマにした芸術が内外で高く評価されている一方、2015年から出身地の宮城県仙台市、東京都、愛知県名古屋市、京都府など各地でアート寺子屋を展開。母校の小学校では、東日本大震災で打撃を受けた宮城県石巻市の雄勝硯(すずり)の支援を兼ねて児童に「マイ硯」を創作してもらう実験授業をプロデュースし16年、全国造形教育研究大会(全国造形教育連盟など主催)のメインスピーカーを務めた。
 妻の実家の津山市に居を移した昨年秋以降、津山圏域の市町村長や教育長らと対談する中、これまでに津山、真庭市、岡山県苫田郡鏡野町が企画に賛同。順次日程などの調整を進めている。
 8月10日は市教委と共催の講座として、川崎のポート・アート&デザイン津山本館(市重文)を会場に小学生と保護者10組限定で実施。「葉っぱの一生」をお題に、墨絵で自由なイメージを長さ6メートルの和紙に描いてもらう。硯で墨をすり、毛筆を滑らすことで微妙な濃淡やにじみ、かすれといった多様な表現を楽しみ、発想を膨らませるとともに感性を刺激。
 武藤さんは「想像力とともに日本人特有の繊細な美意識を目覚めさせたい。そして作州の子どもたちに横野和紙や高田硯といった地域の伝統工芸、日常から失われつつある文化について見直してもらえたら」と思いを膨らます。
 申し込み、問い合わせは、市教委学校教育課(0868-32-2114)。
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墨絵を通じて子どもの想像力を育てたいと話す武藤さん


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