東日本大震災から14年をむかえるのを前に、被災木で作られたコカリナを使った「つむぐコンサート つながっていく命・寄り添う心」が岡山県津山市の津山文化センター・ホワイエで開かれ、心安らぐ音色に市民ら約30人が聴き入った。
津山市と鏡野町で教室を開く日本コカリナ協会公認講師の古澤かおるさん(67)=小原=と妹でライアー(たて琴)奏者の水野みどりさん(64)=沼=でつくるデュオ「森の精」が出演。
岩手県陸前高田市で津波になぎ倒されたクロマツ、宮城県石巻市の小学校で焼け残ったアカマツで作った木笛で、復興ソング「花は咲く」など被災者たちの心を支えた名曲を中心に計11曲を演奏。たて琴とともに柔らかな音色を会場に響かせた。
最後の曲目、唱歌「故郷」では来場者も参加して合唱。旋律に乗せて「胸に生きる思い出、いつも村を思わん」と、福島第一原発事故で被害に遭った福島県飯館村の中学生らが地元を思って作った歌詞も加えて歌い上げた。
古澤さんは「被災木の音色を通して忘れてはいけない震災の記憶を後世につないでいくことが活動の原点。みなさんが被災地に心を寄せるきっかけになれば」と呼びかけ、拍手が送られた。
加茂町公郷の前原治恵子さん(65)は「改めて震災をふりかえるきっかけになった。被災地を思い、被災者を応援していきたい」と話していた。
コンサートは2015年から年に数回開かれており、51回目。
