洋菓子店アンジェ・山本隆之さん 「現代の名工」に選ばれる

行政・公共 「現代の名工」の楯を手にする山本さん
「現代の名工」の楯を手にする山本さん
         

 「ケーキはお祝い事の際に買い求めていただくことが多い。作り手としてもそんな気持ちを大切にしたい」
 おとぎの国から抜けだしてきたような店内で、とびっきりの笑顔でそう話すのは洋菓子店のスイーツファクトリー・アンジェ代表取締役・山本隆之さん(65)=山北。手にしているのは厚生労働省の2022年度「現代の名工(洋生菓子製造工部門)」の楯。特に優れた技能を持つ職人たちを表彰する制度で、県内からの受賞は4年ぶり2人のみだった。
 「咲く州菓子」をどうぞ―。地元産の素材にこだわった、からだに優しいスイーツづくりは創業時からのポリシーだ。勝英地域の特産品である高級黒豆「作州黒」を使った焼き菓子はそうした最初の商品で看板の一つだが「いまでこそ業界で当たり前のように使われているけれど、当時は洋菓子に黒豆の組み合わせはなかった」と振り返る。
 津山産小麦にはこだわりがある。津山産ショウガやフルーツも四季折々の地元産。ケーキに欠かせないイチゴは自身も役員を務めるまほらファーム(野村)で採れたもの。「食品の命である鮮度と安全性を考えた上での選択。実家が農家で、農産物への感謝の気持ちが大きいですね」。
 山本さんは岡山県洋菓子協会の会長を13年、日本洋菓子協会連合会常務理事は4年目で業界発展、後進育成のために尽力している。職人の道へ入ったのは大学卒業後。乳製品の会社に就職しルート営業先で、師匠となる職人と運命の出会いを果たす。わずか9カ月で会社を辞め6年間にわたる修行生活に入った。「経営まですべてを教わった。いまの自分があるのは親方のおかげ。恩返しの気持ちがある」。
 「洋菓子職人は喜びと笑顔を地域に届ける素敵な仕事。そんなやりがいを若手に伝えていきたい」


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