岡山県津山市西田辺で県北でも珍しいコーヒー豆のハウス栽培を手がける頼経泰宏さん(56)が初収穫した豆の試飲会が3日、市内で開かれ、美作大学の学生サークル・珈琲研究会の部員や愛飲家が津山産のコーヒーの味を確かめた。
会社員のかたわら農業をしていた頼経さんは2021年、コーヒーのハウス栽培を全国展開するやまこうファーム(岡山市)を見学し翌年、自宅裏の農地に建てたビニールハウス2棟で苗木137本を植樹。会社を退職後は本格的に着手し今春、生豆約1キロの収穫に成功した。
試飲会はコーヒー販売店の豆工房コーヒーロースト津山店N-cafe(沼)で開催。店主の丸山健一さん(56)が焙煎(ばいせん)した同大オリジナルブレンドを含む4種のコーヒーが提供された。参加者は味や香りの違いを楽しみ「津山産はすっきりしていて飲みやすい」といった声が聞かれた。
津山は「珈琲」の当て字を考案した津山藩医・宇田川榕菴の出身地として知られており、頼経さんは「まずは次年度に向けて収穫量を増やし、ゆくゆくはコーヒーとゆかりの深い津山産でのブランド化を図りたい」と期待を込める。
丸山さんは「コーヒー豆は焙煎の深さによって味が大きく変わるため、今後豆の個性を最も引き出せる焙煎方法を探りたい」と話していた。