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地域の発展支える「津山駅」 開業1世紀を経てリニューアルへ 水素燃料電池列車導入も/岡山・津山市

歴史・文化 2017年に駅北口広場に移設されたSL[C11 ‐80号」の記念式典
2017年に駅北口広場に移設されたSL[C11 ‐80号」の記念式典=岡山県津山市で
         

 1923(大正12) 年に開業した岡山県津山市大谷のJR津山駅は2023年8月、100周年を迎えた。津山、姫新、因美線が乗り入れ、県北の鉄道交通の要所として地域の発展を支えてきた。2024年夏には内外装がリニューアルされ、交通系ICカード 「ICOCA (イコカ)」の利用も可能になる。歴史を振り返るとともに次の1世紀へと軌跡を描く。

 1872(明治5)年に日本に鉄道が開業し、近代化へ大きな役割を果たす中、津山駅は国鉄作備線として津山駅~美作追分駅間、津山駅~津山口駅間が開業した際に設置。36年には構内に扇形機関車庫が建設された。

 その後、62年に宇野駅~鳥取駅間で準急(後に急行)「砂丘」 が運行開始。96年に津山線の高速化事業が完成し、97年には岡山駅~津山駅間で急行「つやま」、快速「ことぶき」が運行を始めた。 2007年、津山駅~智頭駅間で「みまさかスローライフ列車」が運行開始。17年、バス乗り場や観光案内所などを含む駅周辺整備が完了し、SL「C11―80号」も移設された。駅周辺の風景も変貌を遂げてきた。

 2023年3月にはバリアフリー化により待望のエレベーター3基が設置され、利便性が向上。大きな荷物を持った観光客やビジネス客、障害者、高齢者らが利用しやすくなった。

 8月21日には100周年の記念式典を開催。藤原乗将JR西日本岡山支社長は「交通の要衝として地域に支えられてきた。より多くのみなさんに県北の魅力を発信していきたい」とあいさつ。関係者が記念看板とパネルを除幕し節目を祝った。

 1日約3000人が利用。JR西日本によるとリニューアルは城下町津山を象徴し、駅前広場との一体感を醸成するため「城+モダン」をコンセプトにした洗練されたデザインに。地域素材を生かした改修を行い、情報発信スペースを設置するほか、改札内にバリアフリー機能を備えたトイレを新設する。2024年4月ごろに工事を始める。

 これまでICカードが使えず、県外などの乗客から「不便だ」との声が上がっていた。夏にはリニューアルに合わせて津山線の岡山駅、法界院駅に続いて津山駅での利用がいよいよ可能になる。

 未来に向けて新たな取り組みへの動きもある。谷口圭三・津山市長は津山線への水素燃料電池列車導入や、市内駅への水素ステーション設置をはじめとした地域での水素エネルギーの利活用をJR西日本と連携して検討する方針を明らかにした。

 列車導入は2030年代が目標で、市長は「国が目指す2050年カーボンニュートラルの実現に寄与するとともに、公共交通に対する住民の意識を高め、JRの利用促進につなげたい」「津山を水素で動かす。エネルギーで地域を元気にしていく」としている。

昭和の津山駅
昭和の津山駅
開業100周年記念式典で除幕された看板とパネル
開業100周年記念式典で除幕された看板とパネル
駅舎の様子
駅舎の様子
2023年に設置されたエレベーター
2023年に設置されたエレベーター


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