香川県高松市の美術家・後藤朝子さんの個展「やわらかな光の中で」が、真庭市勝山の勝山文化往来館ひしおで開かれている。人形を用いたインスタレーション(空間芸術)が来場者を独創的な世界へ誘う。3月7日まで。
彫刻家で京人形司十三世の面屋庄三さん(本名・岡本庄三さん)から学んだ経験を生かして制作した作品7点を展示。県北での開催は初めて。
1階展示室には、石の球体の上に子どもを乗せた牛が立っているオブジェ、サンゴの化石などを散りばめ、海の中をイメージした空間芸術などの秀作が目を引く。2階は、胡粉(ごふん)や桐といった材料を使った伝統技法で作られた京人形が並ぶ。
自然の中にいると感じられるように証明の色やセッティングにこだわり、落ち着いた空間を作り上げている。
初日の13日には後藤さんによる作品解説が行われ、「訪れた人が静かな深海のような世界を感じ、安らいでほしい」と語った。作品を観賞していた香川景子さん(38)=岡山市=は「細部までこだわっていて人形自体が人格を持っているような雰囲気が伝わる」と話した。
「ひしおのお雛まつり2021」の開催に合わせて勝山・町並み委員会が企画した。
後藤朝子さん個展「やわらかな光の中で」