酪農家たちが生産性の高い豊かな経営を目指し、示唆に富む取り組みや意見などを発表する第51回「全国酪農青年女性酪農発表大会」で、岡山県真庭市上徳山の筒井省悟さん(46)が最優秀賞・農林水産大臣賞に選ばれ、太田昇真庭市長を表敬訪問し、喜びを伝えた。
筒井さんは中国四国酪農大学校=同市蒜山西茅部=を卒業後、事業主に代わって作業を行う専任ヘルパーを中心に農業や観光業の仕事に携わってスキルを磨き、約4年前に近所から牧場を引き継ぎ就農。現在は休耕地対策の一環として、トウモロコシを栽培するなど地産の自給飼料の生産にも取り組んでいる。
この経験を通して発表会では、地域住民たちとつながりを大切にすること、地元で後継者を育成して第三者継承につなげていくことの必要性を説明。さらに自給飼料生産の増大を図り、農家から農作業を請け負うコントラクター(農作業受託組織)を立ち上げたことなども語り、酪農経営発表の部で審査員からの高い評価を得た。
同市久世の市役所で開かれた報告会で、筒井さんは「40代になって夢がかなえられたことが後進の希望となればうれしい。経営課題がたくさんある中、継続は力と信じて励んでいきたい」と話した。
太田市長は「蒜山地域の酪農の発展に向けて働きかける人がいることをうれしく思う。市もそういった人たちがどんどん増えていくようにしていきたい」と激励した。