岡山県津山圏域消防組合は、2023年に管内で発生した火災の概況をまとめた。発生件数は87件で昨年の119件よりも32件減少したものの、負傷者は13人(前年12人)、死者数は13人(同1人)と増加した。死者に関しては同組合発足以来50年の間で最も多く、警戒を強めている。
種別では、建物41件(同52件)、林野8(同13)、廃材や枯草、河川敷など種別に該当しない「その他」が34件(同46件)、車両は4件(同8件)で、全体的に減少している。
主な出火の原因のうち、特も多かった「たき火・火入れ」が23件(前年36件)、ごみ焼き、落雷、原因不明を含めた「その他」41件(同60件)、「たばこ」1件(同4件)が大きく減少。一方で「車両配線・内熱機器等」5件(同2件)、「電気機器・装置」2件(同1件)などが増えている。「炉・かまど」「電灯・電話等配線」は一昨年と変わらず4件だった。
市町村別では、津山市が52件(前年73件)、鏡野町5件(同12件)、勝央町11件(同8件)、奈義町1件(同6件)、久米南町5件(同9件)美咲町13件(同11件)。
死亡した人の多くは、建物火災で逃げ遅れたり、野外で雑草などを焼却する際に、火が着衣に燃え移ったりしたのが起因とみられる。このことから消防本部予防課は「条例に沿った住宅用火災警報器の設置」に力を入れるほか、野焼きに関しては「消火準備と消防署への届け出を忘れない」「風の強い日に行わない」「ごみを焼く行為は廃棄物処理法により禁止されている」といった適切な判断や処理を喚起していく。また、住宅火災の原因の一つに漏電を挙げており、電化製品の適正な管理も呼びかける。
昨年圏域内での住宅用火災警報器の設置率は85%でこのうち「寝室、2階以上に寝室がある場合は階段にも設置する」という条例適合率は約40%となっている。