岡山県奈義町柿の里山に建つ「なぎビカリアミュージアム」 は、地域の大地に刻まれた歴史を伝える体験型の化石博物館だ。
今から約1600万年前、奈義町周辺は海だった。その証拠に、この地域からは巻き貝のビカリアを中心に、さまざまな化石が多数産出している。同館には、こうした化石が集められ、自然科学への関心を深める場として整備され、動植物の化石約50種類、約500点を展示している。
館の名前にもあるビカリアはすでに絶滅した巻き貝で、約2300万年前から500万年前の地質時代に栄えた。この年代を特定する手がかりとなる化石で、同町周辺は国内有数の産出地として知られている。
館内には、発掘された化石標本のほか、当時の環境を再現した展示も並ぶ。マングローブが生い茂る海辺を再現したジオラマや、地層の断面に自然のまま露出した化石群は、訪れた人に強い印象を与える。
さらに、岩石の中から化石を探し出す発掘体験も人気を集める。ハンマーを使って実際に石を割り、化石を見つけることができ、参加料は500円。自分の手で見つけた化石を通して、地層や自然への理解をより深めることができる。
また、本物の化石の販売も行っており、来館者が太古の記憶を持ち帰ることができる。
一つ一つの化石に刻まれた時間は気の遠くなるほど長い。目の前の小さな巻き貝に、何千万年という歳月が宿っている。その事実に気付いた時、足元の大地が持つ物語が静かに浮かび上がる。
開館時間は午前9時から午後5時まで(最終入館は午後4時30分)。休館日は毎週月曜、祝日の翌日、年末年始。入館料は小学生未満無料、小・中学生150円、高校生以上300円。ゴールデンウイーク期間中も同時間帯で開館する見込み。
問い合わせは、なぎビカリアミュージアム(TEL:0868-36-3977)。


