村田洋一名人(65)=岡山県津山市小原=が永世位を獲得するか、2年ぶり9回目の挑戦となる川口剛五段(60)=自営業、皿=が8年ぶりに返り咲くかと、将棋愛好家の注目を集めていた第75期美作アマ将棋名人戦(津山朝日新聞社主催、日本将棋連盟津山支部主管)が16日、高野本郷の津山キッズ将棋教室で三番勝負で行われた。大熱戦の末、川口五段が2勝1敗で村田名人を下し、通算15期目のタイトルを獲得した。
立会人は森川邦夫四段、記録は西崎文雄三段。持ち時間45分、1分秒読みで行われた。
第1局は午前9時15分、振り駒で村田名人の先手で開始。村田名人の「嬉野流」の攻勢に対し、後手の川口五段が矢倉模様で受ける展開となった。中盤から難解な攻防が続き、川口五段がやや優勢となったものの、村田名人の渾身の勝負手への対応を誤り、村田名人が形勢を逆転して勝利した。1時間30分、107手。
第2局は午前11時20分に開始し、先後を入れ替えて川口五段の先手。序盤から駆け引きが続き、川口五段の向かい飛車に対し、村田名人の居飛車玉頭位取りの対抗形に落ち着いた。中盤に入ると定跡を外れた難解な力戦となったが、勝負所で村田名人にミスが出て川口五段が勝勢となり、着実に勝ち切った。1時間5分、97手。
1勝1敗で迎えた第3局は午後2時10分、再び振り駒を行い、川口五段の先手で開始。運命の最終局は相振り飛車戦となり、後手ながら積極的に攻める村田名人に対し、川口五段が受ける展開となった。中盤から終盤にかけて難解な攻防が続いたが、川口五段がぎりぎりでしのぎ切り、村田名人を投了に追い込んだ。1時間5分、81手。
ベテラン同士の対局は3局とも熱戦となり、どちらが優勢に立ってもおかしくない難解な局面が続く、まさに「横綱相撲」。両者の棋風が存分に表れたタイトル戦となった。対局終了後、津山朝日新聞社と日本将棋連盟津山支部から賞状や盾、記念品が両者に贈られ、好勝負をたたえた。
川口五段は「久しぶりの大舞台で勝ててうれしい。防衛を目指して頑張る」。村田名人は「永世位は欲しかったが、力及ばなかった。また来年挑戦したい」と話した。

