岡山県真庭市蒜山地域で古くから受け継がれる「大宮踊」(国指定重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産)が15日、蒜山中福田の福田神社で行われ、参加者たちは子孫繁栄や豊作を願い、踊りの輪を広げた。
この日に合わせて「ひるぜん花火大会」も開かれ、尺玉をはじめ数百発が夜空を彩った。その後、浴衣姿の大宮踊保存会のメンバーや地域住民、帰省客らが神社に集まり、「シリゲ」と呼ばれる切り絵細工を飾った舞台を囲んで踊りが始まった。
舞台上の「音頭取り」と呼ばれる人たちの「ウワハンヨウ」といった独特の歌と、打ち鳴らす太鼓の音に合わせ、小さな子どもからお年寄りまでがしなやかな動きを繰り返しながら、「あおい」「しっし」といった踊りを披露した。
終盤の踊り「まねき」に組み込まれている変装踊り「てんこ」では、参加者が頭に手ぬぐいを巻って踊る中、杵(きね)を手にした編みがさ姿の「手杵」を筆頭に、鉦(かね)、ドジョウすくい、キュウリ突き、すりこぎ、すり鉢と呼ばれる6人の変装した踊り手が登場。ユニークな所作で会場を盛り上げた。
大宮踊保存会の立田富江さん(73)=蒜山中福田=は「子どもたちにこの踊りを教えることで、多世代の交流にもつながっている。地域にとって大切な伝統で、自分たちから引き継いだ子どもたちが後世へと伝え、この先もずっと続いていくと信じている」と話した。
大宮踊は県三大踊りの一つともいわれ、2022年には「風流踊」の一つとして「白石踊」(笠岡市)とともにユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。お盆を中心に蒜山地区内各所で行われており、19日は午後8時から蒜山下長田の長田神社で行われる。

