岡山県津山市は、城東地区の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定10周年記念誌を発行した。地区内の建物の保存修理・修景事業61件を紹介。地区内の観光案内所や飲食店などで配布する。
市城東伝統的建造物群保存地区は2013年8月、国の重伝建に選定。津山城下町の東の玄関口と位置付けられた地域は、城下町建設時に基幹道路として取り込まれた旧出雲往来の両側に、瓦ぶき・厨子(つし)2階建・切妻造・平井入りの町家が立ち並び、近世から近代にかけての商家町の様子を現代に伝えている。
13年から22年までに民間が手掛けた57件、市による4件の店舗・事務所や作業所、住宅、土蔵、宿泊施設、門などの建物と工事の概要、修理前と修理後の写真をそれぞれ収録。また全体地図や保存地区の沿革、伝統的建造物群の解説などを掲載している。
『津山市城東 重要伝統的建造物群保存地区 地区選定10周年記念誌〜保存事業報告書〜2014ー2023』はA4版、オールカラー、79ページ。市歴史まちづくり推進室編集・発行。300部を印刷した。同推進室でも配布している。
10周年記念事業として冊子のほか伝統的建造物への伝建プレート設置、作州城東屋敷で「親子で鉄道ジオラマ制作ワークショップ」を行った。
3日の定例記者会見で谷口圭三市長は「平成25年の選定以降は伝統的建造物などの修理修景事業や防災対策事業などを行いながら、街並みの保存と更なる価値の向上に官民協力して努めてきた。今後も誇りある財産として適切に保存し、後世に引き継いでいく仕組みづくりを目指していく」と述べた。
問い合わせは、同推進室(TEL:0868-32-7000)。