黒装束の「ゴーサマ」がたいまつ飛び越え疾走 鎌倉時代から続く751回目の奇祭/岡山・美咲町

祭事・神事・法要 たいまつの火を飛び越え、境内を疾走するゴーサマこと護法実=岡山県美咲町で
たいまつの火を飛び越え、境内を疾走するゴーサマこと護法実=岡山県美咲町で
         

 岡山県美咲町の二上山・両山寺に鎌倉時代から伝わる神懸りの奇祭「護法祭」(国選択無形民俗文化財、県重要無形民俗文化財)が14日深夜にあり、ゴーサマと呼ばれる「護法実」の〝お遊び(御法楽)〟を大勢の参拝者が見守り、天下泰平と五穀豊穣を祈願した。

 護法実が護法善神社の祭神・護法善神(護法様)の憑代(よりしろ)となって境内を駆け回る「お遊び」を行う、真言密教と修験道が融合した全国的にも珍しい祭式で、今回が751回目。黒装束で両手を羽ばたかせながら走る姿から「烏(からす)護法」とも呼ばれている。

 護法実は12年連続で、津山市にゆかりのある白川晃太郎さん(53)=大阪市=が務めた。約1週間前から境内で水ごりなどを行い、精進潔斎に取り組んできた。

 午後11時ごろに御迎神が始まり、子どもたち数十人が務める「ケイゴ」らが「バラオーン、サラオーン」と声を上げながら神社に向かい、護法善神を境内に迎えて本堂に戻った後、祈り憑(つ)けの修法を行った。

 周囲が中の様子をうかがっていると、護法善神が憑いた護法実が勢いよく飛び出し、境内を照らすたいまつの火を飛び越えながら縦横無尽に疾走。ケイゴらも「ギャアーテー、ギャアーテー」と叫びながら、その後を追いかけて走った。祭式に先立っては、津山鶴丸太鼓が演奏を披露し、会場を盛り上げた。

 最後は護法善神を神社へ還御して終了。ケイゴを務めた倉敷市の中学2年生・辻󠄀奏馬君(14)は「メディアで知り、興味を持ったのが始まりで、参加は2回目。初めは怖かったけど、走っている間にとても楽しくなる。他にはない珍しい体験ができてうれしい。これからもこの風習を地域の子どもたちが大切に守っていってほしいと思うし、自分も力になりたい」と話した。

 護法実を務めた白川さんは「無事に終わり、お役目を全うできてほっとしている。とてもやりがいを感じる務めであり、これからも続け、後世に伝えていきたい」と語った。

太鼓の演奏で会場を盛り上げた津山鶴丸太鼓
太鼓の演奏で会場を盛り上げた津山鶴丸太鼓


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