「人口減少にどう立ち向かう」岡山県北10市町村の首長が知事に支援要望 人材不足や医療課題も/岡山・岡山県北

行政・公共 伊原木知事の話に耳を傾ける美作県民局管内10市町村の首長たち=岡山県奈義町で
伊原木知事の話に耳を傾ける美作県民局管内10市町村の首長たち=岡山県奈義町で
         

 伊原木隆太岡山県知事と美作県民局管内10市町村の首長が24日、奈義中学校(奈義町久常)で開かれた県主催のトップミーティングに出席し、人口減少を見据えた地域づくりをテーマに意見を交わした。各首長はそれぞれの自治体が抱える課題を挙げ、県の支援を求めた。

 この会議は、県と市町村が良きパートナーとして対話を重ね、地域と県全体の発展を図ることを目的に、県民局管内ごとに年1回開かれているもの。各市町村の首長と伊原木知事の他、副知事や教育長、総合政策局長、産業労働部長、美作県民局長ら県幹部が出席した。

 伊原木知事は人口減少に歯止めがかからない現状にふれ、「少ない人口でそれぞれの地域を支え、県全体を回していかなければならない。住民のウェルビーイングを確保しつつ、スマートシュリンクを進めるなど工夫しながら最悪の事態を防いでいきたい」とあいさつした。

 会議では、経済面から精神面まできめ細かな子育て支援によって出生率の向上につなげている奈義町や、地域資源を生かしたローカルベンチャーの育成で人材を呼び込み、産業振興につなげている西粟倉村など、各自治体が人口減少対策として進める取り組みを紹介。その上で、

▽防災力強化や地域経済の発展、医療機関へのアクセス向上に不可欠な県道整備(津山市)
▽将来の妊娠・出産を含めた人生設計や健康管理について学ぶ「プレコンセプションケア」教育の推進(津山市)
▽医療従事者不足への対応と人材確保(真庭市)
▽大胆な規制・制度改革を進める国家戦略特区制度の対象拡大を国と県が連携して働き掛けること(美作市)
▽募集しても応募がない町職員の人材確保に向けた県職員の派遣(鏡野町)
▽燃料や資材価格の高騰で負担が増す農家への支援制度の充実(久米南町)
▽県内のゴルフ場と連携した災害時の避難場所確保(新庄村)
▽関係人口の創出による人口増加施策の推進(新庄村)
▽工業団地の企業への人材供給につながる技術・専門教育の充実(勝央町)
▽県内の地域間格差を生まない地場産業の成長戦略の構築(美咲町)
▽産業団地造成への支援(美咲町)

――など、県北の発展や住民生活を支えるために必要な施策を提案し、県の協力を求めた。

 特に、各分野で深刻化する人材不足への対応や安定的な医療サービスの確保、県が進める産業クラスター事業の現状や県北地域への効果について説明を求める声が上がった。また、県が進める施策や計画について、詳細な情報を適時提供し、市町村と共有してほしいとの要望も相次いだ。

 太田昇真庭市長は「現地に入り、住民の声を聴いて信頼関係を築き、民間とも連携しながら事業を進めてほしい」と要望。青木秀樹西粟倉村長は「県職員には県北の現状を実際に見て肌で感じてもらうことで、それぞれが持つ技術や知見を生かせる」と述べた。

 これに対し、伊原木知事らは県の現状や各課題への対応状況、解決までに時間を要する理由などを説明。「早急に対応できるものは改善を進めたい」と前向きな姿勢を示した。

 閉会後、光井聡津山市長は「知事からは、各市町村が多くの課題を抱えながらも知恵を出し合って取り組んでいることに感心したとの話があった。人口減少という共通課題を解決するには、各自治体の優れた取り組みを共有しながら、県との対話を続けていくことが重要だと感じている」と話した。

あいさつする伊原木知事
あいさつする伊原木知事


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