国内外でアウトドア用品の販売・製造を手掛けるモンベル(本社大阪市、辰野勇代表)は7日、包括連携協定を結んでいる岡山県鏡野町でクマの出没情報が複数寄せられていることを踏まえ、子どもたちの安全確保に役立ててもらおうと、町にトレッキングベル(クマ鈴)1000個を寄贈した。
同社が同鈴を寄贈するのは県内初で国内では岩手県に続き2例目。寄贈品は野生動物に人の存在を知らせる用途に開発された真ちゅう製の品で、音が鳴ら鳴らないようにできる細工を施しており、状況に応じて音が周囲に影響を与えないような対応が可能。
受納式が鏡野町河内の奥津湖総合案内所「みずの郷奥津湖」で行われ、関係者計約15人が出席。モンベル鏡野店・城門小菜実店長(30)から寄贈品を受け取った瀬島栄史町長は「自然に恵まれた地方ならではの課題が挙がる中、ご好意をいただいたことを大変うれしく思う」と礼を述べ、城門店長は「子どもたちが安全に過ごせるようにと願っている。これを機に安全管理に対する意識高揚にもつながるとうれしい。今後も町と連携を強めて地域を盛り上げていきたい」と話した。
その後、式に出席した奥津小学校6年生に鈴が手渡され、児童はランドセルに付けて使い方などを教わった。小林晄季さん(11)は「近くでクマが出たと聞いたので不安だったけど、この鈴のおかげで安心して登校できる。クマを見かけた時は落ち着いて命を守る行動をとれるようにしたい」と喜んでいた。同町は町内の全小中学校(小学校5校、中学校1校)の全児童生徒らに同鈴を配る予定。
モンベルは2019年にアウトドア活動促進を通じた同町地域の活性化を図り、包括連携協定を結んでおり、今回の寄贈は地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄付を行う「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業(企業版ふるさと納税)」の制度を活用した。
同町内のクマの出没情報は本年度に入って7日までに計9件で、昨年度中に寄せられた情報に比べてすでに7件増加している。6日には同町上斎原で体長約1㍍の成獣が捕獲されるなど、今後も出没が増えるとみて警戒を強めている。
