伊原木隆太岡山県知事が26日、鏡野町で取り組まれているスマート農業や水気耕栽培を視察し、さらに農業関係者と情報交換をするなどして、県北の農業、農家の実態について理解を深めた。
岡山市北区の総合農園FINCAdeMORITANIの園主・森谷英憲さん(80)のコーディネートにより行われた政務。初めに同町小座の本山精耕園(本山由加里代表)の水田で遠隔操作、自動運転機能が付いたクボタ製の無人田植え機「アグリロボNW80SA」(幅約2.2㍍、全高約2.6㍍)のデモンストレーションを見学した。
同機種は搭載しているGPSに加え、移動通信システムの回線を通じて販売店にあるRTK(リアルタイムキネマティック)基地局から発信されるデータを基に精度の高いほ場の位置情報をつかんで動く自動操舵(そうだ)技術を誇り、約10分で10㌃程度の田んぼに苗を植えることができるスピードと正確性、利便性を確認した。
続く、下原の鏡野町水気耕生産組合(岡水園、井上雄一郎組合長)の施設で地下の液肥槽とビニールハウス内の栽培槽で水を循環させて18種類のトマトを栽培する様子を実見し、土着天敵を活用した害虫対策で農薬の削減に努めている話も聞いた。その後の懇談会では、営農組合や第三セクターの経営状況、各農家が抱える経済面での厳しさや人手不足といった悩み、今後望む施策などの話に耳を傾けた。
伊原木知事は「時代ごとに先端的な技術を取り入れてきたことが岡山の農業を支えていると感じている。農業関係者からより具体的な状況を聞き、改善の余地があることも痛感した。良い物を作ってきちんと売っていくというサイクルが必要。販路と農家の世帯収入の拡大の成功例を作っていけるように考えていきたい」と話した。
森谷さんは「県北の農家に頑張ってほしいという思いで企画した。知事は地域のこともよく知っていて心強さを感じた。安心して作れる生産環境と生活を十分に維持できるほどの収入が整うと期待している」と語った。

