手作り図鑑を寄贈 白賀渓谷自生の植物638種 半年かけ完成/岡山・鏡野町

行政・公共 制作した図鑑を手にする小林さん=岡山県鏡野町で
制作した図鑑を手にする小林さん=岡山県鏡野町で
         

 岡山県鏡野町富西谷の旭川水系・白賀川沿い約5キロにわたる白賀渓谷に自生する植物計638種をファイルにまとめた手作りの図鑑が完成し、作者の小林一貫さん(81)=鏡野町寺元=らが28日、同所の富公民館に寄贈した。

 制作したのは「白賀渓谷の植物」(A5版)2冊1セット。2009~12年の間に真庭市久世の自然愛好家・山本善民さんらが調査した内容をまとめた冊子「白賀渓谷植物調査の記録」(白賀川地域協議会発刊)に記されている606種に、元県林業試験場職員の小林さんと元県森林公園職員の藤木精二さんが11~25年に発見した種も加え、「草本編」(132ページ)には草花371種、「木本・シダ編」(133ページ)には樹木213種とシダ植物など計54種を写真や図版を添えて紹介。形状や大きさ、特徴、属名などを詳しく記した解説文も載せている。

 富公民館主催の「白賀渓谷内山野草観察会」で資料として活用していたところ、完成度と分かりやすさに感銘を受けた白賀川地域協議会の佐古庸二さんが本を作ることを提案。加筆修正を行うなどして、半年かけて仕上げた。

 この日、公民館を訪れた小林さんは「名前だけでなく、構造や生態なども調べると面白いし勉強になる。多くの人に興味を持ってもらえたら」。佐古さんは「人の手が加わらなくなったことで山地が荒れてシカの食害などが増え、以前あった野草が見られなくなってきている。豊かな植生を後世に伝える貴重な資料として保管していただけたら」と野口貴子館長に手渡した。野口館長は「知識や理解を深め、植物に親しみを持つきっかけになる。活用させていただきます」と話した。図鑑は同館2階の富教育歴史資料館で閲覧できる。

 白賀渓谷は県下有数の規模を誇り、県内の優れた景観の一つとして09年に「晴れの国おかやま景観百選」に選ばれている。春から初夏にかけてはヒメレンゲ、秋にはカエデ類の木々が谷を彩るほか、鳥取県の大山で発見されてその名がついたダイセンミツバツツジや「県版レッドデータブック」に掲載されているビッチュウフウロ(準絶滅危惧種)などが自生している。

手作りの図鑑を野口館長に手渡す小林さん(左)と佐古さん
手作りの図鑑を野口館長に手渡す小林さん(左)と佐古さん
白賀渓谷に自生するダイセンミツバツツジ(28日撮影)
白賀渓谷に自生するダイセンミツバツツジ(28日撮影)


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